■そして誰も教えてくれなかった


はい、艦橋です。
あ、ちょうど目標艦が訓練海域に入りました、サー。

「へー、どれどれ…」

こちらの双眼鏡で見れます、サー。



「…世の中ナメてるなあー、イロイロと…」

ま、とりあえず演習ですから。
では、照準をお願いします、サー。

「え?」

あの艦を照準してください、サー。

「…目標、スワンボート!撃て!」

…世の中ナメすぎです、サー。
さっき、魚雷を撃つのに何が必要だったか思い出してください。

「えー…魚雷の発射角度の射角と、えー、えー、魚雷の速度、そして発射タイミング?」

見事です、サー。それらを、今見ている風景から導きだしてください。
必要な道具があれば、指示をいただければ用意します、サー。

「…この画像から魚雷の射角と速度と発射タイミングがわかる装置を一つ」

チョー世の中ナメ過ぎです、サー。
そんな便利な道具があるなら、パンダを乗り込ませても戦争に勝てます。
ちなみに、ドラえもんは大和級にしか積まれてないので、
本艦ではミラクルなへルプは期待できません、サー。

「大和級には積まれてるんだ…」

さあ、データを集めてください。

「あ、えーと、あれだ、相手の進行角度、やや向こう側に向かってる!」

それで魚雷発射の射角指示ができますか、サー?

「……テヘ、すいません、魚雷戦なめてました。何をどうしたらいいかさっぱりです…」

予想通りの展開です、サー。
では、ここで魚雷戦で相手に照準をつける原理を確認します、サー。

「難しい話?」

それは見てのお楽しみです、サー。


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