■一回戦はアメリカの判定勝ち

とにかく錯誤の連続でようわからん、という7日午前中の戦いを
地図上でまとめると、こんな感じですね。



珊瑚海海戦は艦船同士の砲撃戦が一度もないまま終わった海戦なのですが
(この点は史上初ではない。インド洋で日本の空母機動部隊がHMSハーミスを沈めた時も
両者とも直接の砲撃戦は無かった。HMSハーミスに艦載機がなかったので反撃がなかっただけだ)
とりあえず、大きく3つの攻撃が行われたのがこの第一ラウンド、7日午前中の戦いでした。

ついでに、両軍の空母機動部隊の航跡がグニャグニャなのは、
発艦、着艦時には風上に向かうためでございます。
攻撃部隊の発進には20分前後の時間が
かかってしまいますから、こんなゴキブリの逃走経路のような航跡になるのです。

まず、アメリカのTF17がMO主隊を空襲、ここにあった空母祥鳳は、
小型空母ゆえの作業性の悪さで反撃どころか迎撃戦闘機の展開すら
満足にできないまま撃沈されてしまいます。

もう一の攻撃つは日本のMO機動部隊が敵空母と勘違いして出かけてみたら、
単なる給油艦だったUSSネオショーとUSSシムスの補給艦隊の撃沈。
ただしUSSネオショーは沈没しておらず、11日まで漂流を続けたあと、
駆け付けた駆逐艦が生存者を救助、砲撃で沈めてます。

もう一つが先に見たラバウルから陸攻が、ラエからゼロ戦が
それぞれ長距離飛行して攻撃を加えたTG17.3でしたが、
こちらはほとんど損害無しでおわったわけです。

が、この日、一番大きな動きとなったのは、
ポートモレスビー攻略部隊の反転北上でした。
これはMO機動部隊がTF17を沈めるまでの一時的な措置だったのですが、
その反転直後にMO機動部隊はTF17を攻撃していない、と判明、
一時的なはずの退避が全力での退避に切り替わります。

そして、この翌日まで空母主力部隊による戦いの決着がつかず、
決着が付いた後も日本側の空母戦力が激減してしまい、
結局、この部隊は二度と南に向かうことはありませんでした。

空母戦力の一部、祥鳳が敵に損失を与える事無く失われたこの段階で、
ほぼMO作戦の失敗は確定していた、と言っていいでしょう。
この後、空母同士が戦えばただでは済まないわけで、
その戦力で例の200機以上の戦闘機とA-24部隊が待ち構える
ニューギニア島南岸に突入するのは自殺行為となります。

といった感じで、珊瑚海海戦一回戦の大まかな流れを見た事になります。
次回は、祥鳳とネオショー&シムス、それぞれの戦いを
もう少し詳しく見てゆきましょう。

はい、今回はここまで。


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