■世界を丸く収めるために



小石川の東大博物館別館にて


というわけでイメージサークルからいかに世界を切り取るか、
をもう少し考えてみましょう。

普通に考えるとイメージサークルから画像を切り抜くには、
あらかじめ切り取る比率サイズを決めておき、
その比率サイズで造られた受光センサーをカメラに組み込んで、
そこから画像データを受け取ることになります。



以前使っていたサンヨーのデジカメによる画像。
まあ4:3受光センサーのカメラですね。
北アルプスの尾根筋に出て、しかも快晴、というバッチグーな条件なのに、
なんでこんなにショボい画像しか残せないんだ、と思ってたわけです。

余談ながら、私、パナソニックのLXシリーズに出会うまで、
かなりの数のコンパクトデジカメを使ってきましたが、
二度と買うか、と思ったのは全て有名カメラメーカーの製品でした(笑)。
一眼レフとかは知りませんが、デジカメは電気メーカー製に限る、
というのは、今でも一つのポリシーになってます。




16:9なら、虹だってワイドに収まる。
とりあえず、16:9サイズの受光部を持ったLXシリーズに出会ったことで、
視界の狭さに関する不満はほぼ解消しました。
で、個人的にはこれで満足してまして、LX-1、LX-2と正当進化していった
16:9デジカメに基本的に不満はなく、
4:3画像に対応したLX-3が登場したときには、
全く興味が沸きませんでした。

が、たまたま実機をさわって見る機会があり、
己の無知ぶりに驚愕することになります。
パナソニックの皆さんは、私の貧弱な想像力の3億光年彼方を行くような、
そらもうスンゴイカメラを開発していたのでした。
これに気が付いた瞬間、泣きたいほど感動しました。

で、その点が製品ホームページなどで解説されて無いことを知った時、
今度は別の意味で泣きたくなりました(笑)。
で、この記事を書いてるわけです。



通常、デジカメでイメージサークルから画像を切り取る場合、
搭載された受光センサーの比率サイズの画像しか書き出せません。
なので、4:3比率の受光センサーを持つデジカメはそれ以上の視界を切り取れません。
その点は16:9比率の受光センサーでも同じで、上下方向の視界は、
むしろ他のサイズより小さい事になります。
まあ、いわゆるフィルムサイズ、3:2の比率が一番バランスがいい、
という事になるんでしょうか。

ここら辺、例のカメラー オブスクラーなら、自分の欲しい部分だけを
紙に写し取ってしまえばいいだけですから、
技術が進んでむしろ不便になった例なんでしょうね(笑)



16:9カメラことLX-1とLX-2にも、4:3、3:2で撮影出来るモードは付いてます。
が、これはLX-3のシステムとは全く異なるもので、ある意味最低な小手先勝負機能でした。
まあ他のメーカーのカメラについてる以上、つけるほか無いんでしょうが…。

ここで、それはどいうものかを見ておきましょう。
とりあえず、これが受光センサーの比率サイズと同じ16:9画面で撮影したもの。




これが4:3モード。
はい、わかりますね、16:9画像の左右部分をチョン切っただけです、これ(笑)。
要するに、せっかく受光センサーで受け取ったデータをわざわざ捨ててるのです。
全く意味が無い。
こんな小細工は、撮影後に画像処理ソフトでやればいい。

ちなみに09年9月現在、パナソニック以外のメーカーのデジカメにある
16:9モードも同じ事をやってまして、これとは逆に天地方向のデータを捨ててます。

つまり、レンズでとらえた視野を最大限に活かす、という設計思想ではなく、
単に4:3画像の上下をチョン切っただけで、むしろ視野は狭くなってます。

それで16:9画面を名乗るカメラは、全て私の敵である、と思ってください(笑)。



それらの常識をデコピン一発で粉砕してしまったのが、
最近のパナソニックのカメラに搭載されている、そしてLX-3にも採用されてる、
以下のような可変受光サイズ システムとでも言うべき仕掛けです。

今度はそれを見て行きましょう。


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