■圧力もいろいろだ

でもって、流体に常に存在する力、すなわち圧力にも種類があります。
静圧(静水圧)、動圧の二つです。

単純に言ってしまえば、先に見たような静止状態でも常に存在するのが静圧(静水圧)、
対して運動して受ける圧力、例えば車が走る事で進行方向の大気から受ける圧力を動圧と呼びます。



水中で泳いでる魚を例にとると、そこには常に二種類の圧力が掛かっています。

一つは赤い線で示した静圧。
この場合は水圧で、これは水中にいるだけで自動的に発生する圧力です。

もう一つが動圧で、これは泳いで前に進む場合、正面方向から受ける圧力となり、
当然、停まってしまえば、動圧は無くなってしまいます。
ただし、流れの中にある場合は話は異なり、自分が動いてなくても
流れがぶつかって来ることで、そこに動圧が生じます。
川の流れの中に立った時に感じる圧力が動圧ですね。
(ただし流れと同速度で流されてしまう場合、速度差がないので動圧は生じない)
さらに流れに逆らって進む場合、流れと自らの動き、両者から生じる圧力の合計が
物体が受ける動圧となります。

通常、流体内で運動する物体はこの二つの圧力を受けるため、
そこに加わる圧力は両者を合計したものとなり、これを「全圧」と呼びます。
…あれ、となると圧力の種類は三種類か(笑)。

といったところが、流体力学の基礎の基礎ですね。
なんだか物体が流れ始める前の段階で話が停まってしまってますが、
次回、これらの基礎をキチンと抑えた上で一気に流れ出しますので、ご安心を。

とりあえず、今回はここまで。


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